ピアノ演奏の落とし穴
ピアノは簡単な楽器です。
だれでも音を出すことができるし、音程は調律師に整えて貰えば、
鍵盤を下ろすだけで音が作れます。
楽譜の読み方を知って、そこに指を運べば、ある程度のものはできます。
ところが、他の楽器に比べて音域が広く使えるし、和音、和声が使えるので、
ひとりで何人分かのパートをこなすことができ、その可能性から、
たくさんの作曲家がたくさんの曲を作っています。
オーケストラの曲のアレンジだってできる。
一生のうちには弾ききれないほどの名曲があります。
複雑な分、再現するだけでエネルギーを相当使います。
すると、再現することを目的にしてしまいがちです。
再現に手間暇がかかるので、その機械的な作業そのものを目的に
練習してしまうことが起こってきます。
目的は音と遊ぶこと。
現れた音によろこぶこと。
音に触れたときの感情を味わうこと。
曲をこなすことではなく、そのプロセスを味わってゆくことが大切だと思っています。
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