電子ピアノと耳
今日はピアノの調律の日でした。
調律師の荒井さんは、いつもピアノという楽器についていろいろ教えてくれます。
わたしは音楽大学まで行きましたが、実はピアノという楽器について、よく知っていないのです。
なぜ音が出るのか、どのような仕掛けになっているのか、どのような構造をしているのか、どんな部品があるのか、調律の種類や仕組みなど、etc.
そして、近年にめざましく普及した電子ピアノ。
ピアノを教えていたときに、あまりにも生徒さんの言っていることがわからなくて、よく聞いてみると電子ピアノのことを「ピアノ」と言っていることがわかりました。
荒井さんの言うことには、「鍵盤楽器」ということがそもそもおかしいと。
楽器の仕組みから言うと、アコースティックピアノは「打弦楽器」。
弦を打つことによって発音しますからね。
同じ「鍵盤楽器」でもオルガンは、パイプに風を送り発音する「パイプオルガン」、リードに風を送り発音するのは「リードオルガン」。これらは管楽器。
電子ピアノは、電子楽器。
これは電気のスパークを音に変換することが元になっているそうです。
同じ鍵盤を持っていても、音の出る仕組みは全く違うのです。
アコースティックピアノやオルガンは、弦やパイプ、リードを鳴らして音を作るので、倍音が複雑に組み合わさって出ることになります。
でも電子ピアノは倍音が出ないので、電子ピアノで育った人は、倍音を含んだ音は、ひとつの音に音がたくさん聞こえすぎて、アコースティックピアノの音が何の音を弾いているのか、わからなくなるそうです。
(アコースティックピアノで育った人は、電子ピアノを弾いても「響きが減ってつまらない」と感じるだけで、音の違いはわかるそうです。)
だから、電子ピアノで練習しているこどもが、音大を出たピアノの先生のレッスンを受けても、実際には何のことだかわからない、という状態であることが多いようです。
例えて言うなら、スイカでかぼちゃの煮付けを作るような‥。
なかなかたいへんな時代です。
ぜひ、分離唱で失われた耳の回復を!
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