「しっかり弾く」

わたしもそうでしたが、音楽大学の友人たちの譜面にも、必ず「しっかり!」という先生の字が書かれていたのを思い出しました。


今考えてみると、それをじぶんがどのように受け取っていたのか、解釈していたのか、非常に曖昧です。

と言うのも、

「ああ、しっかり弾くんだな。」

と思っていただけで、なぜそう言われたのか、先生の意図も、音楽的な意味もほとんど考えなかったからです。


言われたまま、自動的に動いていた。

じぶんの意図はなかったですね。笑。


これを先生の言うことを聞く良い生徒であるとか、素直であるとか、思っていたから情けない。

じぶんを機械にしているだけじゃありませんか。

変な宗教チックかもしれません。


そもそもじぶんがどう表現したいのかを求めて進んできたのに、舵取りを先生に任せてしまった。


今考えてみると、わたしにとっての「しっかり弾く」は、じぶんの弾いている音をひとつひとつ聴くこと、発音を意識すること、音の粒を揃えること、などなどだったのかな、って思います。


それに対してわたしがやっていたことは、鍵盤を下まで強く押して弾くこと、指先を固くすること、指先の衝撃を強く感じること、でした。

これをすると、上手くなると信じていたんですね。笑。

ちっともじぶんの出したい音に結びつけていないじゃありませんか。笑。


「学ぶ」ということは、じぶんの軸にいないと成立しないのですね。


studio Kattini

音と動き、あるいは音、こころ、からだ、ひとをつなぐスタジオ

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