情報と脳の指令と運動
モンテッソーリは、子どもの育つ過程において、「敏感期」という言葉を使うそうです。
自立とはさまざまなことが自分の力で、一人でできるようになることでした。何が、いつできるようになるのか。つまり、何に対して、どの時期に自立が完成していくのかが大きな問題となるのです。モンテッソーリはこのことを「敏感期」という名前で伝えてくれています。
つまり、幼児期にはある特定の事柄に対して、強い感受性が現れ、敏感になるということです。しかも、ただ敏感になるだけでなく、その特定の事柄をいとも簡単に吸収してしまうというのです。
(「モンテッソーリ教育が見守る子どもの学び」松浦公紀著より)
そして、敏感期に見合った環境にすると、集中現象が起こり、押しつけたり、強制してやらせなくても、子どもの側からの自発的活動が現れてくる、といいます。
敏感期を言語・秩序・小さいもの・感覚・運動・数・文化に分けていますが、何か思い当たる節があって、この分類の仕方をとても面白いと思います。
感覚と運動について、面白いことが書かれています。
まず、感覚器官を通して得た情報は神経を伝わって脳へ伝達され、脳で解析されます。脳はその情報に対してどのように対処したらよいかを判断し、その命令が神経を伝わって運動器官に、最終的に、身体各器官である運動器官(手や、指など)が運動を起こすのです。ですから、「子どもが意識して動く」ということがとても重要になるのです。漠然と、目的もなく何かをするのではなく、意識して物事に関わることが大切なのです。
ここだけ読むと、ほとんどアレクサンダー・テクニークのレッスンのようです。
わたしは、脳の指令がからだを動かす、と考えていましたが、考えてみれば、その前に情報が入ってくる方が先ですね。そして、意志(意識)が生まれる。そこから動きが起こる。
「外界によって、自己を知る」と、誰かが言っていました。
ひととは何なのか、どこへ向かうべきか。
教育とはたいへん重要で、面白い分野だと思います。
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